フェアトレード
Fair Trade
このプロジェクトについて
ごみはポップな宝物!
プラスチック汚染のない世界に向けて
私たちLOOBは、『人と環境に優しい持続可能な経済とライフスタイルに向け、一般市民にエシカル消費が広が
り、学校・企業等で寄付やボランティアなどが浸透している』社会を目指しています。
活動地域
イロイロ市・フィリピン
Iloilo City, Philippines
現地の課題
経済発展による廃棄物の増加、追いつかない分別処理
人口増加と生活スタイルの変化により、ごみの排出量は年々増加していますが、行政による市民教育が追いついておらず、廃棄物管理はフィリピンにとって大きな問題です。
フィリピンの廃棄物管理に関しては、2000年に共和国法第9003号固形廃棄物管理法が施行され、市町村による衛生埋立場の建設とリサイクル率上昇、バランガイレベルでの資源回収施設(MRF)設置などが定められました。
環境天然資源省(DENR)の2020年の発表によると、同法成立から20年で衛生埋立場の建設は189(1,634の市町村の8.6%)、またバランガイでのMRF設置は13,612箇所(41,995のバランガイのうち32%)にしか達してないそうです。
イロイロ市の廃棄物管理について
イロイロ市郊外のカラフナンというバランガイに、人口45万人から出るごみを一手に受け入れるごみ処理場があります。住民からはBasulahan(ごみ箱)と呼ばれ、1986年の開設から2016年までの30年の間、オープンダンピング法で未分別ごみが集積されてきました。このため、大量のハエ、強烈な悪臭、汚水の流出、危険廃棄物、ガス等による火災が発生し、周辺住民や生態系への影響が心配されています。特に乾季は火山のようにごみの下からプスプスと白い煙が吹き出し、これがスモーキーマウンテンと呼ばれる所以になっていました。
カラフナンの人口は約4,000人で、2021年現在はこのうち約10分の一の住民がごみ処理産業に関わっています。資源ごみを回収するウェストリサイクラーのほか、ごみ収集トラック業の従事者です。ルールでは禁止されていますが、親の収入を補填するため、10代の子ども達が資源ごみ回収に従事する姿もあります。
イロイロ市衛生埋立場 基礎データ(2023年)
- イロイロ市人口: 約45万人
- 管理主体:イロイロ市公共サービス局(GSO)
- 開設年度:1989年
- 面積:25ヘクタール(東京ドーム5倍)
- 衛生埋立地開設:2016年(23ヘクタールのうち3.3ヘクタール)
- 住民組織の設立:2007年
- ごみ回収率:市内の発生量の85%以上
- ごみ投棄量:1日当たり390トン
- ごみ蓄積量:約30万立方メートル以上
私たちのアプローチ
LOOBでは2007年、イロイロ市のウェストリサイクラーで構成される住民組織Uswag Calajunan Livelihood Association (UCLA)の方々と共に、廃材を使って小物を製作するアップサイクルのプロジェクトを開始しました。
1. ジュースパック製品(廃棄されたジュースのパックを縫製しています)
2. 紙ビーズ製品(廃紙となった雑誌などを丸めて制作しています)
LOOBはメンバーの制作技術支援、デザイン提供、ブランディング、会計セミナー等を行い、貧困地域の方々の所得向上をサポートしています。日本国内での製品販売は、セレクトショップHAPPY∞HAPPYに移管して、行っております。
商品を購入すると生産者にはいくらが入る?
フェアトレードパートナー(FTP)登録をしていただいた支援者の皆様は、定価の25%割引のFTP価格で商品を入手できます。このFTP価格の40%が、実際に生産者に支払われる原価となります。また定価でご購入いただいた場合は、そのうち30%が実際に生産者に納付されている原価です。
毎月一定額を生産者様から一括で買い入れておりますので、日本の販売状況に左右されることなく、生産者の確実な現金収入となります。また現地LOOB Incには日本で販売される価格の12%を寄付として還元し、フィリピンでの支援活動費に当てています。
生産者の生活はどう変わった?
今まで20年以上にわたり有価物ごみの回収で収入を得ていた方々は、本フェアトレード事業でより衛生的で安定した収入を得られるようになりました。一番の大きな成果は、ごみ拾いから脱却して自分の作った製品で子ども達を学校に通わせることができるようになり、目には見えない誇りを得るようになったことです。コミュニティ全体で一つの製品を作り上げていくことから、地域の活性化にもつながっています。
このプロジェクトのリーダーを
担当する現地メンバー
ジュースパック製品ができるまでの流れをご紹介します!
STEP
資源ごみを回収する
ジュースパックや廃紙は、主にごみ投棄場の中で働くウェストリサイクラーによって回収されています。このほかに、LOOBではイロイロ市の公立学校と提携して、子ども達とジュースパックを回収するリサイクル運動も行っています。
STEP
資源ごみを換金する
ウェストリサイクラーの方々は、ごみ投棄場や市内を回って集めたペットボトルや金属などの資源ごみをジャンクショップで換金します。裁縫プロジェクトに使えるジュースパック素材は、LOOBがは1枚につき1ペソで買い取っています。
LOOBスタッフ
1キロ10-20ペソ
1枚につき1ペソで購入している
STEP
洗浄・消毒・乾燥してきれいに!
ジュースパック素材は、UCLAの裁縫メンバーやLOOBのユーススタッフが、カッターで開いて中まできれいに洗浄した後、アルコールで1枚1枚ていねいに消毒し、日陰干していきます。
STEP
会議をして、いざ、アップサイクル製品作り!
LOOBスタッフが作り手のメンバーと定期的に打ち合わせ。新デザインや改善点なども話し合います。
こんな風にして、ごみだったものが、ポップな実用的な商品に生まれ変わります!
これまでの活動の記録
YEAR
1986年 開設
イロイロ市のカラフナンごみ投機場が開設
YEAR
2007年 プロジェクト始動
LOOBのアップサイクル・プロジェクト始動。15名の女性と若者に裁縫トレーニング。
YEAR
2014年 HALLE Fashion Show
ファッションを勉強する日本の学生ボランティアを中心に、アップサイクル製品のファッションショーを開催。ダンサーのChinatsu Nanami(知夏七未)さん、イロイロ市役所との協働により、イベントは大成功!(イベントの様子)
YEAR
2018年 衛生埋立場となる
ごみ処理場の敷地の一部が衛生埋立場に転換された。しかし市民によるごみ分別が遅れているため、危険物が散乱する劣悪な衛生環境の中、多くの大人や子ども達が働いている
YEAR
2019年 環境省グッドライフアワード受賞
環境省グッドライフアワードの『サステナブルデザイン賞』 受賞!環境省中井次官から、アップサイクルと学校のグローバル環境教育を合体させたLOOBの取り組みに高い評価を頂きました。
このプロジェクトに関するお知らせ&募集
廃棄物アップサイクル活動をサポートして頂ける個人・学校・企業様を募集!
フェアトレードを通じたユニークなグローバル環境教育を一緒に実施しませんか?エシカル講座を受けて頂いた後、文化祭やイベント向けの販売キットをお送りします。皆様の学校や団体で製品の 背景にある地球規模の社会課題を多くの人に知ってもらうことも目的としています。
日本国内では、学校内などで、製品の紹介や環境ワークショップを行う高校生・大学生も募集中です!
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