フィリピンの教育事情:ドロップアウト児童とユースの数、380万人
フィリピンの教育制度は、幼稚園1年、小学校6年、中学校4年、高校2年の計13年間(K to 12 System)です。
6歳から24歳までのドロップアウト児童およびユースの数は380万人にも上り、その内訳は6~11歳(5%)、12~15歳(7.7%)、16~24歳(87.3%)となっています(2016年フィリピン統計局調べ)。
学校に行かない貧困家庭の子ども達は、資源ごみを回収したり、トライシクルの運転手をしたり、手工芸品を路上で販売するなどして家計を支えます。
イロイロ市のごみ投棄場ではたらく子ども達
(2009年LOOB撮影)
若者のエンパワーメントで未来を創る、をモットーに
私たちLOOBは、『若者のエンパワーメントで未来を創る』 をビジョンに、2001年からフィリピンで『子どもに教育を、若者に経験を、コミュニティに力を』という3つの柱で活動しています。
Education for Allを目指し、貧困家庭に生まれて育っても、優秀で勉強意欲の高い子ども達を対象に、就学支援と青少年育成活動を提供しています。
まずは、ちょっと下の写真をご覧ください。2009年の子ども達の写真です。ちぃさくて可愛いです。
次は下の2019年の写真です。LOOBの活動に参加したとき低学年だった子ども達も、2019には立派な中高生に成長しました!小学生だった彼らは高校入学を目標にし、高校卒業を果たした彼らは大学入学を目指します。その夢を叶えるため、毎年55~70名がLOOBに登録し、金銭的な学資援助を受ける傍ら、様々なユース活動を展開しています。
LOOBの支援方式は、コミュニティまるごと応援方式!
教育サポート事業をスタートした2001年から2018年までは、日本の教育サポート会員(サポーター)様1名が特定の子ども1名を支援する方式を取ってました。しかし、日本のサポーター様が退会されたり、逆に子どもが学校を辞めてしまったとき、その調整にたくさんの時間がかかっていました。
そこで2019年からは、LOOBキッズ全体を支援していただく仕組みにいたしました。サポーター様には子ども1名からお手紙が届くだけでなく、教育サポート事業が目指す全体の成果もお伝えできるようになりました!
具体的には、教育サポート会員様から頂いた15,000円は以下に充てられます。
-1 低所得家庭への学資援助(1名)
-2 中高生リーダー活動(2022年は20名活動)
-3 コミュニティ図書館開設(2022年は24回実施)
特に中高生・大学生には、支援されるだけでなく、LOOBの社会活動に参加してもらいリーダーシップをつけることで貧困から抜け出す力にしてほしいと考えています。
リーダー活動で自分たちの価値に気づき、高めていく!
LOOBの教育サポート事業では、以下のように支援を受ける立場(LOOBキッズ)から支援をする立場(リーダー)に成長していきます。
7~12歳:小学生LOOBキッズ
13~18歳:中高生LOOBキッズ(ジュニアリーダーJLメンバー)
18~24歳:大学生ユースメンバー
中学生になるとジュニアリーダー(ロオブではJLジェイエルと呼びます)となり、年下のLOOBキッズ達をリードして、週末の野外活動やキャンプ活動を指揮するほか、自分たちが住んでいるごみ処理場コミュニティの課題について考え、アクションを行っています!
『自分の住むコミュニティで、自分が貢献できることがある!』 と感じてもらうことは、自分の価値を発見し、高めていける最初のステップになります。それを実感してもらうことをLOOBでは大切にしています。
実際、教育サポートを受けている子のお兄さんやお姉さんの多くが、既に学校からドロップアウトしていたり、早期妊娠で家庭を持っていたりするのですが、LOOBの活動に参加する子ども達は自分の力を磨き、進学や就職の将来を描くことができるようになります!
最も重要な変化、Most Significant Change
数カ月、数年ではなかなか成果は目に見えません。10年以上活動する中で、自信をもってお伝えできる変化についてご紹介いたします!(これも教育サポート会員の皆様の継続的な支援の賜物です!)
その1.ドロップアウト率が大幅に減少!
LOOBが活動するカラフナン村では学校の休学(1年間ドロップアウト)を経験した子どもが2009年には46%もいましたが、10年後にはたった14%に激減させることができました。単に貧困の子どもを就学させるだけではなく、教育の重要性をコミュニティ全体で認知して、変化していった結果です。
その2、子ども達のポジティブな変化!
残念ながら、同地域にはまだLOOBの力が及ばず、学校をドロップアウトしてしまう子ども・青少年が多いのですが、LOOBの教育サポートを受ける子たちは、受けない子に比べて以下のようなポジティブな面が見られます。
● 将来への夢を臆することなく、口に出すことができる(将来に希望を見出している)
● 夢を達成したいから、勉学への意欲が継続する(簡単にはドロップアウトしない)
● NGOスタッフに頼られるので自信がある(自己肯定感や社会への帰属感が高い)
● 年上のユースリーダーから学び、年下へのサポートができる(リーダーシップ等のスキルが高い)
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
では実際に中高生リーダーのプレジデントを務めるカルロ君の声から聴いて頂ければと思います。
マンスリーサポーター制度についてQ&A
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