活動地とパートナーコミュニティ
■ 愛の街、イロイロ市“City of LOVE”
LOOBの活動の本拠地、パナイ島はイロイロ、アンティケ、アクラン、カピスの4州から成る、フィリピンで7番目に大きな島です。イロイロ州の州都であるイロイロ市(人口42万人)は、西ビサヤ地方で最も古い歴史をもち、商工業の中心地として発展してきました。
イロイロ市には、近代的なショッピングモールが10コ以上あり、日本と変わらない便利な生活が送れます。ヒリガイノン語を話すこの地域の人々は、フィリピンの中でも特に性格が穏やかで愛情深いことで知られており、“City of Love”という異名を持つほどです。
下町に出るとスペイン時代の面影も色濃く、Miyag-ao(ミアガオ)町にあるユネスコ世界遺産のサントビリヤヌエバ教会(1787年建造)はパパイヤやグヤバの彫刻が有名。また毎年1月第4週に開かれる『ディナギャン祭り』は世界中から観光客が集まり、ダンス・コンテストやビアガーデンで街中が盛り上がります。
■ ボランティアが集まるLOOBシェアハウス
そんな長閑なイロイロ市で活動する唯一の日系NGOがLOOBです。創設から10年以上、代表・小林の自宅を開放してボランティアを受け入れてきましたが、2014年からLOOBシェアハウスができ、フィリピン人スタッフと日本人長期ボランティアが共同生活をしており、毎日とてもにぎやかです。LOOBハウスは緑の多い住宅街に位置し、バスケットコートやデイケアセンターがすぐそばにあり、一番大きなショッピングモールSMやMegaworldまでも車で5分と便利な場所にあります。ここを拠点に、複数のコミュニティに出向いて活動を行っています。
■ 地方貧困地域
2001年の活動開始から、地域の雇用機会が少なく、行政サービスが十分に行き届かない「地方貧困地域」に焦点を当てて交流・協力活動を行っています。 LOOBワークキャンプの受け入れ先であるパートナーコミュニティでは、井戸堀り、上水道敷設、教室建設、マングローブ植林などを通して、住民の生活の質の向上とエンパワーメントを目指しています。
ギマラス島ヌエババレンシア町
パナイ島とネグロス島に挟まれ、美しいビーチが多く点在するギマラス島。パナイ島からはバンカーボートで20分。ギマラス島といえばなんといってもマンゴーが有名です。南部の同町はジャングルとわずかの畑に囲まれた典型的な貧農地で、人々は米作や養殖業、漁業、大工など、仕事がある時だけ日雇いで働きます。村人の日収は100ペソ(約230円)程度。子どもの数は多く、1家族に5~6人ととても賑やかです。LOOBではマングローブ植林とエコツーリズム推進のワークキャンプを実施しています。
パナイ島ティグバワン町
イロイロ市から車で西に30分。海沿いに広がるのどかな漁村がナムコン村。人口2,000人の村には様々な職種の人がいますが、LOOBでは主に、漁師やトライシクル(三輪バイク)の運転手などの家庭を対象にサポートしています。ナムコン村ではバランガイレベルで様々なプロジェクトを実施しており、これまで上水道の整備、井戸堀りなど安全な飲み水を供給するプロジェクトや、学校の教室建設を行いました。2017年には住民が避難所として利用できるセンターを開設しました。
パナイ島ランブナオ町
パナイ島の穀物地帯ランブナオは、イロイロ市から北に車で1時間のところにあります。人口のほとんどは農業従事者で、土地の面積が広いため、山奥では多くの子ども達が遠く離れた小学校まで歩いて通っています。 この村のパートナーコミュニティで日本の学生NGOが年に2回、小学校の教室を建設するワークキャンププロジェクトを行っており、2018年までに12棟の教室を建設しています。
パナイ島バロタックビエホ
パナイ島の東部に位置するバロタックビエホ町は、エビや貝の養殖業が盛んな漁村です。海岸部の地域は80年代に養殖業のため広範囲のマングローブ林が伐採されました。LOOBでは、パートナーコミュニティとともに、ワークキャンプ事業の中で、マングローブ再生するプロジェクトを行ってきました。しかし2013年11月台風ヨランダで植樹したマングローブ林は壊滅してしまいました。
(現在この地域で行っているプロジェクトはありません)
ネグロス島シライ市パタッグ町
LOOBの本拠地であるパナイ島のお隣にあるネグロス島は、砂糖の産地として有名です。バコロド市からジープニーで1時間半のところにあるシライ市パタッグ村は、標高2,800メートルのカンラオン山に向って広大な草原が続いており、たくさんの美しい滝や洞窟があります。天然水が豊富なため、村人は登山客のガイドや高地野菜の栽培などで生計を立てています。
(現在この地域で行っているプロジェクトはありません)
■ 都市貧困地域
また2007年からは貧困線以下の世帯が集まる地域(いわゆるスラム)で活動しています。
イロイロ市マンドリアオ地区&ナバイス村
イロイロ市内のカラフナン村は2007年からスタート。ここは人口50万人から出るごみを全て受け入れているごみ投棄場です。ごみ投棄場の周辺には、1,000人を超えるウェイストピッカーが住んでおり、彼らの日収は150~250ペソ程度といわれ、両親の収入を補うため、不衛生な環境でたくさんの子供達が資源ごみの回収作業に従事しています。投棄場への立ち入り制限に伴い、LOOBでは住民組織UCLAとともに、スモーキーマウンテン地域住民支援事業を通して、大人の生計支援と子ども達の教育支援を行っています。また隣のナバイス村では2013年から活動開始。カラフナン村の隣にある都会のオアシスのような場所で、英語のファンアクティビティと栄養食配給を行っています。子どもの参加人数は毎回30~40人です。
イロイロ市ハロ地区ラニット
2015年にホームステイの受け入れ先として提携し、2017年には生計支援および教育支援の活動をスタート。クリスチャンのリーダーが率いる先住民族の他、商業地区の開発で立ち退きにあった世帯の移住先となっています。LOOBは英語のファンアクティビティと栄養食配給を行っています。子どもの参加人数は毎回25~35人です。女性の伝統的なカゴバッグ製作も支援しました。