
ワークキャンプ&スタディツアー記録
Archive for Workcamp and Studytour
第28回パナイ島ワークキャンプ
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期間:2008年9月2日~9月13日 開催地: 市内/パナイ島ナムコン 参加者: 日本人12名、フィリピン人6名 活動内容:-都市貧困スタディツアー(児童養護施設とごみ投棄場で交流活動) -ワーク(村内の共同上水道敷設) -ホームステイ(9泊) -オープンフォーラム -小学校訪問交流 -文化交流祭(フレンドシップナイト) |
ワーク・プロジェクト(村内の共同上水道敷設)
コミュニティの3ヶ所に飲料水の蛇口を設置しました。水管を土に埋める作業は、硬い土とアリとの戦い。完成した安全な水道水は村人の共同の財産です。
都市貧困スタディツアー

都市化や貧困がもたらす問題とは?幸せとは?児童養護施設やごみ投棄場での交流はキャンパーの心にも突き刺さりました。日本人とフィリピン人のオープンフォーラムでは貴重な意見のシェアリングができました。
参加者の声 TOMOMI
~はじめてのフィリピンで~
フィリピンと言えば、貧困のイメージが強く、あまり明るい印象を持っていませんでした。しかし、その人に対するイメージは1日で塗り替えられまし
た。イロイロ空港に着いた時のフィリピン人スタッフ・キャンパーの明るさ。話しかけてくる眩しい笑顔。フィリピン人ってこんなに楽しい人たちなのかーー!
と完全に圧倒されました。ホームステイ先でも、気さくな美人3姉妹とノリのいいナナイが温かく迎えてくれました。知っている日本語の冗談でコミュニケー
ションをとろうとしてくれるフィリピン人の陽気な優しさを十分すぎるくらい感じることができました。特にシスターとして一緒にホームステイしたフィリピン
人キャンパーは、いつも私たちを気遣ってくれて、こうして現地の人々と一緒に生活をすることで、現地の人の温かさを肌で感じることができて、本当によかっ
たです。
たくさんの素敵な出会いの中で、特に印象的だったのが、児童養護施設のある女の子とごみ山に住む家族との出会いです。
施設では様々な事情で親と暮らすことのできない子供たちと会いました。私が出会ったローズという子は、会ってから最後までずっと私の腕をぎゅっ
とつかんでいました。皆で将来の夢を描く時間、ローズは介護師になりたいという夢を一生懸命クレヨンで描いてくれました。そして最後に I will
help Tomomi someday
と書き添えてくれたのです。こうやって自分の将来の幸せを今さっき知り合った他人と共有することができるなんて・・・私の描いた絵より何倍も大きくて温か
い夢が詰まっていました。すっかり妹のような感覚になったところでお別れ。最後に思いっきりローズを抱きしめてありがとうと言いました。ローズはにこっと
笑いました。しかし、他の子たちが最後まで私たちに向かって手を振ってくれている間、ローズは椅子に座ってうつむいたままで、顔さえこちらに向けてもくれ
ませんでした。「結局帰っちゃうんだ」と言われている気がしました。あそこに残って、ローズをずっと抱きしめていたかったけど、何もできない自分が情けな
いばかりでした。
施設に寄付をするとか、里親になるとか、子どもたちの支えになる方法はあります。でも、本当の家族になることはできない。家族だけが与えられる
安らぎを与えることはできない。家族のように無条件に愛することは難しい。いつでもそばにいて、いつでも自分を支えてくれて、どこに行っても自分の帰りを
待ってくれている家族がいることの大切さをこの上なく感じました。
そして、もうひとつ感じたことが、自分の将来を思い描くとき、10年後にどうなっているか、どうありたいかということは考えても、同じように10
年後、家族や友達がどうしているか、まして、自分が彼らに何をしてあげられるかなど深く考えたことはありませんでした。これからは自分の将来に、周りの人
の笑っている姿を思い描いていきたいと思います。そして、ローズたちの笑顔も描き続けたいです。今はまず、彼女たちに手紙と写真を送りたいと考えていま
す。
もうひとつ、カラフナンに住む家族との出会い。投棄場は匂いもきついし、鹿やヤギなど動物まで住んでいることに驚きました。Hualdeさん一
家にお邪魔すると、親切なナナイが私たちに扇風機を回してくれました。そして5人の子どものうち今は1人しか学校に通えていなくて、食事も毎日3食とれて
いないと教えてくれました。ごみ山がなくなることで生活はさらに苦しくなることも。しかし私が最後に、幸せですか?と聞くと、返ってきた答えは
They are happy because they have a family.
英語にこう訳されている間、ナナイは静かにほほえんでいました。そのあと、もちろん他に職が見つかれば、みんなが学校に行ければもっと幸せだけど、今も幸
せです、と。
玄関の目の前はごみの山。ごみしか見えない。そのごみ山から収入を得て、ごみ山に支えられる生活。しかし、彼らは幸せを見失ってはいませんでした。
こうした出会いを通して感じたことは、当たり前のことなど何もないということ。幸せは自分の考え方次第だということ。お金があれば幸せ、家族が
いれば幸せ、などと幸せは定義することができないものだということを改めて感じました。フィリピンに来るまで、フィリピン人の笑顔をあまり思い浮かべられ
なかったのは、貧困=不幸せと決め付けていたからでした。私は今まで自分にないものばかりを気にしていました。しかし、与えられていることに感謝して幸せ
を感じて過ごす方が、同じ時間でも、もっと笑顔でいられるなと今は思います。
全力で笑って、働いて、いろいろと考えて、こんなにステキなワークキャンプに参加できたことを本当に感謝しています!!最高の出会いにあふれた12日間でした!本当にありがとうございました!